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【ビルメンテナンス】送風機のベアリング交換とは?交換時期・費用・手順を徹底解説

2026.03.27

送風機のベアリング交換とは、ファン(送風機)の回転軸を支える軸受け部品(ベアリング)が摩耗・劣化したときに新品へ取り替える作業です。放置すると異音・振動が悪化し、最終的にはベアリングの焼き付きによる送風機の突然停止につながります。

「送風機から異音がするけど、これってベアリングの問題?」
「交換のタイミングはどうやって判断するの?」
「費用はどのくらいかかるの?」

こうした疑問をお持ちのビル管理担当者・設備管理者の方に向けて、送風機ベアリングの基礎知識から交換時期の見極め方・交換の手順・費用の目安・予防保全のポイントまで、実務に即してわかりやすくご説明します。

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目次

1. 送風機のベアリングとは
2. ベアリングの種類と特徴
3. 交換時期のサイン・劣化の判断基準
4. ベアリングが早期に摩耗する主な原因
5. ベアリング交換の基本的な手順
6. ベアリング交換にかかる費用の目安
7. 予防保全で交換サイクルを延ばすポイント
8. 日常点検チェックリスト
9. 無料相談・お問い合わせ

1. 送風機のベアリングとは

ベアリング(軸受け)とは、送風機のシャフト(回転軸)を支え、スムーズに回転させるための部品です。
送風機が動いている間は常に回転し続けているため、ベアリングには非常に大きな負荷がかかっています。

ビルの空調設備に使われる送風機(エアハンドリングユニットのファン・排気ファン・給気ファンなど)は、1日中ほぼ休みなく動き続けています。
そのためベアリングは消耗品であり、適切な時期に交換しなければ設備全体の安定稼働に支障をきたします。

ベアリングが果たしている役割

役割 ベアリングがない・劣化した場合の影響
シャフト(回転軸)の位置を固定する 軸がブレて振動が大きくなり、周辺の部品にも悪影響が出ます
回転時の摩擦を最小限に抑える 摩擦が増えて発熱・電力消費増大・部品の早期摩耗につながります
ラジアル荷重(軸に垂直な力)を受ける 荷重を受けられなくなり、シャフトやハウジングが損傷します
スラスト荷重(軸方向の力)を受ける 軸が前後にずれてファンとケーシングが接触する危険があります

送風機ベアリングの設計寿命の目安

ベアリングにはメーカーが定めるL10寿命(10%の個体が破損するまでの回転数)という指標があります。
ビルの空調送風機の場合、適切なグリスアップと使用条件が維持されていれば、設計寿命は2〜5年程度とされています。
ただし以下の条件によって寿命は大きく変わります。

・グリス(潤滑油)の補充・交換が適切に行われているか
・ベルト張力が適正な範囲に保たれているか
・振動・衝撃・高温・湿気などの過酷な環境にさらされていないか
・設計上の回転数と実際の運転回転数が適合しているか

2. ベアリングの種類と特徴

送風機に使われるベアリングにはいくつかの種類があります。
交換の際は元々使われていた型番と同等品、または推奨品を使うことが基本です。

種類 特徴 送風機での主な使われ方 グリスアップ
深溝玉軸受け(ラジアルボールベアリング) 最も一般的な種類です。ラジアル荷重・スラスト荷重の両方を受けられます。高速回転に向いています。 小〜中型の送風機に広く使われます グリス封入済み品が多いです。補充が必要な型番もあります。
自動調心玉軸受け シャフトが多少傾いても対応できます。据え付け誤差が吸収しやすいです。 長いシャフトや据え付け精度が出にくい場合に使われます グリスアップが必要です
円筒ころ軸受け ラジアル荷重に非常に強いです。衝撃にも強く、重荷重に向いています。 大型の送風機・重負荷の用途に使われます グリスアップが必要です
ピロー形ユニット軸受け(ピローブロック) ハウジング(取り付け台座)一体型のベアリングです。取り付けと交換が容易です。 ベルト駆動式の送風機・搬送用ファンに多く使われます グリスニップルから補充が可能です

3. 交換時期のサイン・劣化の判断基準

ベアリングの劣化は段階的に進行します。早めにサインを察知して対応することで、突然の停止や二次被害(シャフト・ハウジングの損傷)を防ぐことができます。
以下の症状が現れたら、速やかに専門業者への点検・交換を依頼してください。

劣化のステージ別サインと対応

劣化のステージ 現れる症状 確認方法 推奨される対応
初期(経年劣化が始まっている) かすかな異音(シャーシャーという摩擦音)・わずかな振動の増大 聴診棒・振動測定器での確認 グリスアップを実施し、経過を観察する。交換計画を立てる。
中期(摩耗が進行している) 明確な異音(ゴロゴロ・ガラガラ音)・振動値の上昇・ベアリング部の温度上昇 振動測定・赤外線温度計での確認 早めに交換時期を設定する。運転継続は短期間にとどめる。
末期(破損が近い) 大きな異音(バリバリ・ドンドン音)・激しい振動・発熱・グリスの滲み出し 目視・手触り・温度計での確認 即時運転停止・緊急交換が必要です。そのまま動かし続けると焼き付きが起きます。
焼き付き(完全破損) 運転不能・焦げ臭い・煙・シャフトが固着して動かない 目視・嗅覚での確認 緊急停止・専門業者に緊急連絡。シャフト・ハウジングへの二次損傷の確認も必要です。

数値で判断する劣化の目安

測定項目 正常な値の目安 要注意の値 交換推奨の値
振動速度(mm/s) 2.8mm/s以下 2.8〜7.1mm/s 7.1mm/s超
ベアリング表面温度 周囲温度+40℃以内 周囲温度+40〜60℃ 周囲温度+60℃超または80℃超
運転電流値 定格電流の±10%以内 定格電流の±10〜20% 定格電流の20%超の増加

※ 振動の基準値はISO 10816に基づく一般的な目安です。機器の仕様や設置条件によって異なる場合があります。
判断に迷う場合は、専門業者への相談をおすすめします。

▼ 異音・振動が気になる場合はすぐにご相談ください
 📞 緊急対応窓口:090-3835-875

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4. ベアリングが早期に摩耗する主な原因

ベアリングの寿命は適切な管理を行えば設計通りに近づけることができますが、以下のような原因があると大幅に短くなります
原因を把握しておくことで、次回の交換後に同じトラブルを防ぐことができます。

早期摩耗の原因 なぜベアリングが傷むのか 防ぐための対策
グリス不足・グリスの劣化 潤滑が不足して金属面どうしが直接こすれ合い、摩耗が急速に進みます 定期的なグリスアップの実施。封入済み品は設計寿命内に交換します。
グリスの入れすぎ 過剰なグリスが抵抗になり発熱します。グリスが劣化して潤滑不良になります。 適正量のグリスを補充します。目安はハウジング容積の1/3〜1/2程度です。
ベルト張力が強すぎる ベアリングにかかるラジアル荷重が設計値を超えて内部の損傷が早まります 定期的にベルト張力を測定し、メーカー指定の適正値に調整します。
アライメント(芯出し)の不良 シャフトの軸線がずれていると偏荷重がかかり、特定の箇所だけが集中して摩耗します 取り付け・交換時に必ず芯出し作業を行い、芯ずれを解消します。
異物・水・ほこりの侵入 内部に異物が入ると転動体(ボール・ローラー)が傷つき、寿命が大幅に縮まります シール・防塵カバーの定期点検と補修。高湿度環境では防湿型ベアリングを選定します。
過負荷・過大な振動 設計荷重を超える運転が続くと内部の転動体・軌道面に疲労が蓄積されます 設備の運転条件の見直し・インバータ制御で適正回転数に保ちます。
据え付け不良(打ち込み取り付け) ハンマーで叩いて取り付けると内部に衝撃が加わり、転動体が傷つきます 圧入工具・加熱(焼きばめ)・油圧プレスを使って正しく取り付けます。

5. ベアリング交換の基本的な手順

ベアリング交換は専門的な知識と工具が必要な作業です。誤った手順で作業を行うと新しいベアリングをすぐに傷めてしまったり、シャフトやハウジングを損傷させる危険があります。
以下は一般的な手順の流れです。実際の作業は必ず資格を持つ専門業者にご依頼ください。

交換前の準備

ステップ1:運転停止・ロックアウト(エネルギーの遮断)
送風機の電源を切り、制御盤でブレーカーをOFFにします。誤起動を防ぐためにロックアウト・タグアウト(LOTO)を必ず実施します。回転が完全に止まってから作業を開始します。

ステップ2:交換するベアリングの型番確認
既存のベアリングの型番・内径・外径・幅・シール形状を確認し、同等品または推奨品を手配します。型番が不明な場合は現物を計測します。

ステップ3:必要な工具・資材の準備
プーラー(ベアリング抜き取り工具)・プレスまたは加熱器(焼きばめ用)・トルクレンチ・グリス・クリーナー・記録票を準備します。

取り外し〜取り付けの手順

工程 作業の内容 注意点
① ベルト・カップリングの取り外し Vベルト・カップリングなどの動力伝達部品を外します ベルトの張力・プーリーの位置を記録しておきます
② シャフトの取り外し ファンホイールを固定しているボルトを緩め、シャフトを抜き取ります ファンホイールを落下させないよう注意します
③ 旧ベアリングの抜き取り プーラーを使ってベアリングをシャフトから引き抜きます ハンマーで叩いての取り外しはシャフトを傷めるため禁止です
④ シャフト・ハウジングの清掃・点検 クリーナーで清掃し、傷・さび・変形がないか確認します シャフトに傷がある場合は補修または交換が必要な場合があります
⑤ 新ベアリングの取り付け 加熱(80〜100℃程度)または圧入工具を使って取り付けます 内輪をハンマーで叩いての取り付けは厳禁です。転動体が損傷します。
⑥ グリスの充填 ハウジング容積の1/3〜1/2程度のグリスを充填します 入れすぎは発熱の原因になります
⑦ 芯出し(アライメント)作業 カップリング・プーリーの芯ずれを測定し、規定値内に調整します 芯出し精度がベアリング寿命に直結します。省略は厳禁です。
⑧ 試運転・確認 電源を投入して試運転を行い、電流値・振動・温度・異音を確認します 試運転直後のベアリング温度は高めになるため、30分〜1時間の暖機が必要です
⑨ 記録の作成 交換日・ベアリング型番・作業者名・試運転結果を記録します 次回交換の目安時期も記録しておきます

6. ベアリング交換にかかる費用の目安

ベアリング交換の費用は、送風機の大きさ・設置場所・ベアリングの種類・作業の難易度によって変わります。
以下はビルの空調設備(エアハンドリングユニットなど)に使われる送風機を想定した参考費用です。実際の費用は現地調査のうえでお見積りいたします。

作業の内容 費用の目安 補足
ベアリング部品代(小型・標準品) 1,000〜5,000円/個 型番・メーカーにより異なります
ベアリング部品代(大型・特殊品) 5,000〜50,000円以上/個 1台の送風機に複数個必要な場合があります
交換作業費(小型送風機) 30,000〜60,000円 部品代・作業費・芯出し含む場合
交換作業費(中型送風機) 60,000〜150,000円 機械室内の作業・足場が必要な場合は別途費用がかかります
交換作業費(大型送風機・エアハン内蔵型) 150,000〜400,000円以上 クレーン・足場・複数人作業が必要な場合があります
緊急対応(夜間・休日) 通常の1.5〜2倍程度 突発故障・焼き付きへの緊急対応の場合
二次損傷修理(シャフト研磨・ハウジング修正) 50,000〜200,000円以上 ベアリング焼き付きが発生した場合に追加で発生します

計画交換と緊急交換のコスト比較

交換の種類 費用感 設備停止のリスク 二次損傷のリスク
計画交換(定期的な予防交換) 部品代+標準作業費のみ 低い(計画的に停止時間を設けられます) 低い(摩耗が進む前に交換するため)
緊急交換(故障後の対応) 部品代+緊急割増費用+二次損傷修理費 高い(突然停止で空調が使えなくなります) 高い(焼き付きでシャフト・ハウジングが損傷します)

計画交換と緊急交換では、総費用が2〜5倍以上変わることも珍しくありません。
振動測定や定期点検を活用して計画的な交換を行うことが、結果的に最もコストを抑える方法です。

7. 予防保全で交換サイクルを延ばすポイント

ベアリングの寿命を設計通りに近づけ、交換サイクルを最大限に延ばすには、日常的な予防保全の積み重ねが欠かせません。

グリスアップの正しい方法

グリスアップはベアリング寿命を守るうえで最も重要な作業のひとつです。以下のポイントを守ってください。

① 補充する前に古いグリスを確認する
色が黒く変色している・水が混入して白濁している・砂や金属粉が混じっている場合は、古いグリスを除去してから新しいグリスを充填します。

② グリスの種類を統一する
異なる種類のグリスを混ぜると化学反応によって性能が低下する場合があります。設備台帳に使用グリス種別を記録し、同じ種類を使い続けます。

③ 量は「少し足りないくらい」が正解
グリスの入れすぎはかえって発熱・劣化の原因になります。ハウジング容積の1/3〜1/2を目安にします。

④ 補充後は必ず試運転を行う
グリスアップ直後は温度が少し上がることがあります。30分程度の運転後に温度・振動を確認します。

定期的に実施したい予防保全メニュー

予防保全の内容 実施の頻度 期待できる効果
グリスアップ(潤滑剤の補充) 3〜6ヶ月に1回 摩擦低減・発熱抑制・寿命の延長
振動測定・振動値の記録 月1回 劣化の早期発見・計画交換への移行
ベアリング表面温度の測定 月1回 異常発熱の早期検知
ベルト張力の確認・調整 3〜6ヶ月に1回 過荷重防止・ベアリングへの負担軽減
アライメント(芯出し)の確認 年1回または交換時 偏荷重の防止・均等摩耗の維持
フィルター・ダクトの清掃 月1回〜3ヶ月に1回 送風機への過負荷防止・ファンの適正回転維持
運転電流値の記録 月1回 過負荷・摩耗による消費電力増大の早期発見

8. 日常点検チェックリスト

以下のチェックリストを日常点検・定期点検の記録にご活用ください。
異常の早期発見がベアリング交換コストの最小化とビルの安定稼働につながります。

日常確認項目(毎日または毎週)

チェック項目 確認の方法 合格の目安
運転中の異音(シャー・ゴロゴロ・ガラガラなど) 耳で聞く・聴診棒で確認する 普段と変わらない運転音であること
異常な振動 手でケーシングに触れて確認する 普段より明らかに大きな振動がないこと
ベアリング周辺の発熱 赤外線温度計で測定する 周囲温度+40℃以内であること
グリスの滲み出し・漏れ ベアリングハウジング周辺を目視で確認する グリスが外に漏れ出していないこと
運転電流値 電流計で測定する 定格電流の±10%以内であること

月次点検項目(毎月1回)

チェック項目 確認の方法 合格の目安
振動速度の測定・記録 振動測定器(振動計)で測定する 2.8mm/s以下であること(ISO基準の目安)
ベルトの張力・摩耗状態 張力計または指で押して確認する 適正たわみ量の範囲内であること
プーリーのアライメント 定規・直線定規で目視確認する プーリー面が一直線に並んでいること
グリスの状態(色・異物混入) グリスニップルから少量を採取して目視確認する 黒変・白濁・異物混入がないこと
ボルト類の緩み トルクレンチまたは目視で確認する 規定トルクで締め付けられていること
点検記録の作成・保管 測定値・異常有無・担当者名を記録票に記入する 月次記録が漏れなく保管されていること

9. 無料相談・お問い合わせ

送風機のベアリング交換・点検・保守契約について、お気軽にご相談ください。
異音・振動の診断から緊急交換・定期的な予防保全の計画立案まで、ワンストップで対応いたします。
現地調査・お見積りは完全無料です。

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